
今回のテーマは街角でよく見かける 路上パフォーマンス です。
とりわけ観光地で頻繁に見かける大道芸人。
楽にお金を稼いでるように見えるので、
「私もやっちゃおう!」
と、路上で芸を披露すると大きなトラブルの元になります。
この記事の目次
ローケーション
ホテル業では、
「ローケーション、ロケーション、ロケーション」
と言われます。
これは路上パフォーマンスも同じ。
収入の高さは、歩行者の交通量に比例します。
でも、
「ここは人通りが多いから、ここでやろう。」
と、芸を披露する場所を勝手に決めるわけにはいきません。
そこでまずは市役所に行って、場所の選定から始めてください。
その手間を省き、
「ここは先週、路上パフォーマーがやっていたから、ここならいい筈。」
とやってしまうと、意外と禁止地域だったりします。
役人に捕まってから、
「先週、ここで路上パフォーマーを観た。」
と言っても、あなたの違法行為が無罪になるわけではありません。
ちゃっかりその場で罰金を課されます。
ドイツ人の路上パフォーマーは、1000ユーロの罰金を受けたこともあります。
これでは収入どころか、大赤字。
ドイツでは法律で規定されてない項目は皆無。
路上パフォーマンスも例外ではありません。
そこで路上を芸を披露する前に、
「どこならパフォーマンスが許可されているのか?」
調べることから始まります。
許可証
まずはいいニュースから。
路上パフォーマンスが許可されている地域、場所であれば。
しかしお堅いミュンヘンでは、
自治体からの許可証が必要です。
「じゃ、申請すればいい。」
と思いますが、そこはお堅いバイエルン州、許可証を取るのはかなり困難です。
まずその数。
1日あたり10通までと上限が決まっており、
「あっ。」
という間に上限に達してしまいます。
さらにはパフォーマンスの内容も審査されます。
市民に不快感を与えると判断されると、許可は下りません。
さらには場所。
このページの写真のパフォーマンスはかなり場所を取り、また子供とぶつかる危険もあるので、滅多に許可が下りません。
なのにこの写真はミュンヘン市内で撮ったもの。
明らかにこのパフォーマーは違法行為、通称
「やり逃げ逃げパフォーマー」
です。
真似をされませんように。
路上パフォーマンス 音楽のパフォーマー
クラシック音楽の国だけあって、ドイツで一番の人気は音楽のパフォーマーです。
オーボエやバイオリンの単独演奏よりも、数名でグループを組んで演奏するほうが注目度が高いです。
すでにメンバーを組んでいる場合は、週末などに街角で演奏すれば、結構、いい収入になります。
ただし!
「もっと大きな音を出したい。」
とスピーカーなどを置くのは禁止されています。
さらには店舗の商売の邪魔をしないように、最長の延長時間は30分まで(自治体により異なります)。
30分後は最低でも150m(自治体により異なります)、移動することが必要です。
観光客の多いハイデルベルクでは
スピーカーは言うに及ばず、管楽器、打楽器は禁止
加えて、同じ場所での演奏は1時間のみ可能。
お陰で何か芸を披露してお金を稼ぐのは難しく、ハイデルベルクでは滅多に路上芸人を見かけることがありません。
CD等の販売
音楽系のパフォーマーが楽器のケースを募金箱として使用、
「自費で作成したCD」
などを販売している光景をみたことがあると思います。
しかし!
例外は似顔絵などを描くパフォーマー。
ただしパフォーマンスの許可が必要で、20ユーロ程度の
「ショバ代」
を自治体に払うことが前提です。
チップの要請
そう、ドイツでは乞食のやり方も法律でびっしり決まっています。
では正しい、乞食の方法とは?
それは街角、あるいは店舗の入り口に座ると、空のカップを置いてお恵みをじっと待つ方法。
「恵んでください。」と積極的にアピールする方法は違法です。
歩行者ににカップを突き出してきたり、歩行者に話しかけてくるのは違法です。
店先などの乞食に不快に感じたら、遠慮なく110番通報できます。
路上パフォーマーも同様です。
ショーの後に積極的に個々の観客に帽子を突き出して、チップをせがむのは違法です。
もっともドイツ人は基本ケチなので、積極的にチップを要求しないとなかなか小銭は集まりません。
このため見ている側に不快感を与えない程度のチップの要求は、見つかっても多めにみてもらえることが多いです。
尚、来るクリスマスはドイツ人が1年で唯一、
「太っ腹」
になる時期です。
外はとっても寒いですが、クリスマスにちなんだ曲を演奏すると、募金箱はコインばかりか紙幣が入っていることも。
クリスマスは路上パフォーマー、最大の収入のチャンスです。
路上パフォーマンス 税金フリー
あくまでも
「副業としてパフォーマンス」
で、
「利益追求を至上課題としていないパフォーマンス」
であれば、
あのドイツで税金フリーです!
理由。
チップは募金とみなされるからです。
もし芸術家として滞在ビザを取り、路上で芸を披露して生活している人には、しっかり税金がかかります。
