ドイツでコロナ感染者率が、30を割りました。
ひどい時には170超え。
とりわけ感染率が低いのは、人口密度の低い北ドイツ。
例外はハンブルク。
ドイツ第二の都市ですが、市長が早めに夜間外出禁止などのコロナ規制を強化。(*1)
これが効きました。
別の意味での例外は、人口(密度)の少ない東(南)ドイツ。
「コロナなんて嘘!」
という陰謀説が大人気。
結果、感染率が500を超えるまでに悪化。
ザクセン州は、ベルリンと人口がほぼ同じです。
ベルリンでの死者数が3500人なのに、ザクセン州では1万人の死者を出しました。
「〇〇は死ななきゃ直らない。」
は、本当でした。
幸い、その東ドイツでも、次第に日常生活を取り戻しつつあります。
ドイツの株式指標DAXも、コロナ感染者数ではなく、経済指標に左右されての動きとなりました。
この記事の目次
DAX 3週連続で最高値更新 いつまで続く?
DAXの1週間チャートです。
火曜日に、3週連続で(過去)最高値を更新です。
確か、1万5685まで上昇。
その後、勇気がなくなって利益確定の売りが入りました。
以前は、
「イケイケドンドン」
で、最高値を更新しても、買いが入りさらに上昇。
しかしここ3週間、
「最高値更新!」
した途端、売りが入っています。
投資家の、
「いつ落ちるかわからないから、儲かったら利益確保」
という心理が見えてきます。
一体、何を心配しているのでしょう?
金融政策引き締めの亡霊
と、聞くまでもなく、投資家が恐れているのは金融政策の引き締めです。
コロナ禍で落ち込んだ経済を支えるため、中央銀行が大胆な金融緩和政策を実施。
お陰で株式市場は1か月の、
「超~ブル~」
な時期を経て、
「V時回復!」
とまではいかないが、そこそこ回復。
このまま経済を刺激し続けると、
“heiss gelaufen”(オーバーヒート)
です。
今のトルコのような二桁のインフレも、
「夢」
じゃない。
そこで金融緩和政策を引き締める必要があります。
が、株式市場は
「金融緩和」
という麻薬にどっぷり。
いきなり
「来月から国債の買い入れを辞めます。」
と言った日には、ブラックマンデーの再来。(*2)
そこで徐々に麻薬の量を減らしていきます。
これが俗に言う、
「テーパリング」
です。
株式市場は、
「いつFRBがテーパリングを発表する?」
と心配になっています。
今日、6月4日に米国で労働市場統計が発表されます。
もし新たに、
「80万人の雇用達成!」
になれば、
「テーパリング近し!」
で売りが入ります。
これが理由で、
「儲けたらすぐに売る!」
が今のモットーです。
という投資状況で注目を浴びた銘柄を紹介していきます。
VW ポルシェを分社化 & 上場する?
今週、
「DAX3週連続の最高値更新」
に最も貢献したのは自動車株。
「自動車業界は、コロナ前の水準に戻った!」
と、何処かのアナリストが発表。
自動車株は軒並み上昇。
その中で一番上昇したのが、VW株。
だから言ったでしょ!
「VW株は上がる!」
って。
あ~あ。
買い損ねた株は、上昇が憎い。
VW株が今週上がった理由は、
- 子会社のポルシェを分社化する?
- 蓄電池事業を上場する?
のふたつです。
どっちも親会社にはおいしい。
おいしいのは、親会社だけに留まりません。
ポルシェ 独立?
かって、
「VWを買収しろ!」
という大胆な計画を実行したポルシェ。
失敗してポルシェに
「逆買収」
されます。
今回はポルシェを分社化する、すなわち昔の状態に戻すわけです。
ポルシェ株は、親会社よりも上昇。
現時点ではVWはポルシェの分社化を否定。
でも、
「火のない所に煙は立たぬ。」
とも言いますから、要注目。
BMW 92% 売り上げ増
ダイムラーとVWに、
「おいしい所をもっていかれた?」
かに見えたBMW。
今週、反撃。
「前年比で92%の売り上げ増!」
のニュースで、株価上昇。
100ユーロの壁も遠い未来の話じゃない?
ルフトハンザ 飛行機を50機新たに投入
ドイツはおろか、欧州各地で感染者が減少。
そして夏休みまであと3週間。(*3)
ルフトハンザは、
「7月、8月のフライト予約が、4週間前と比較して11倍になった。」
と嬉しい悲鳴。
この1年振りの商売のチャンスに、
「満席です。」
なんて言うのは、公務員だけ。
ルフトハンザは、
「パーキングしている飛行機50機を任務に復帰させる。」
と発表。
わざわざ見るまでもなく、株価もテイクオフ!
14ユーロまで行ったら、売ります。
ドイツ人 旅行代理店に殺到!
去年は、
「予約のキャンセル」
だけが仕事だった旅行代理店。
感染者の減少と共に、旅行代理店を訪れる人が増えてきました。
勿論、休暇旅行の予約です。
そう、世界最大の旅行会社TUI。
1年チャートで株価の動向をご覧あれ。
株価の上値抵抗線が、5.26ユーロ。
これが、
「マジノ線」
並みの強固な防衛線
かってのドイツ軍のような奇抜なアイデアで、マジノ線を突破して欲しい!
LPKF レーザー チップ不足で大儲け!
ハノーファーの郊外に、LPKFレーザーという会社があります。
その名の通り、レーザーに欠かせない電子部品を製造する会社。
今、世界で欠けているチップ(半導体)を製造するには、特殊なレーザーが必要です。
チャンスは三度目まで!
そう、LPKFレーザーです。
「半導体業界の大手から注文もらった。」
との発表に、株価上昇。
1年チャートを見る限り、最高値までまだ余裕あり。
勇気のある人は、今がチャンスかも?
商売敵 トランプ レーザー
これまでは、
「半導体用のレーザー」
と言えば、トランプ レーザーが第一人者。
カール ツアイスと共に半導体装置大手、ASMLの部品供給先です。
アナリストによれば、
「半導体不足は2022年の夏まで続く」
と言います。
LPKF、もっと注文をを獲得するチャンスあり。
ドイツ銀行 コンプライアンス問題
2か月前、ドイツの金融機関監督機関の
“Bafin”
が、ドイツ銀行のコンプライアンス、わかりやすく言えば、マネーロンダリングなどの金融犯罪の取り締まり体制の
「緩さ」
を指摘。
バーフィンと言えば、ドイツ史上最大の金融詐欺、ワイヤーカードを数年間に渡って見過ごしきた機関。
集中砲火に遭い、財務省は機関を刷新。(*4)
バーフィンは、
「汚名挽回の為、仕事振りを見せつけたい!」
と、意気揚々。
その被害にあったのが、ドイツ銀行。
だと思っていたら、今週、FRB(米国連邦銀行)が、
「ドイツ銀行にはコンプライアンスの問題がある。」
と指摘。
いや、お叱りと言った方が的確。
高額な罰金が心配。
株価は一時(5月31日)落ちました。
が、翌日には回復。
ドイツ銀行株が、
「波」
に乗っている証拠。
罰金額次第ですが、今年中に黒字間違いなし!
DWS 最高値更新!
ドイツ銀行の子会社DWS。
何も知らないと、
「コレ、環境団体?」
と思います。
違います。
投資信託会社です。
「環境に優しい投資」
を意識したので、こんなホームページに。
親会社はここ2年、配当金カット、株価最安値更新とボロボロ。
一方、子会社のDWSは?
1年チャートをご覧あれ。
今週、過去最高値を更新。
配当金も1.8ユーロ出てます。
親会社よりも子会社のほうがいい選択肢です。
一発大勝負!アードラー ファッション
コロナ禍で業績不振に陥った、アードラーファッション。
「大丈夫!」
「倒産なんてしない!」
と言ってのに、倒産。
それでもコロナ禍が収まってきたこともあり、投資家が興味を見せてます。
「投資家が見つかった!」
となれば株価、ロケット上昇。
「投資家が下りた。」
となれば、株価垂直下落。
一発勝負に出たい人向き。
まっとうな投資をする人は、避けて通りましょう。
注釈 – DAX 3週連続で最高値更新 & 金融政策引き締めの亡霊
*1
その正反対が沖縄の県知事。経済を優先したために、沖縄の医療体制が崩壊。離島なんだから空港でPCR検査を義務化すれば、コロナ蔓延は防げます。それさえもしないまま、観光客の受け入れ。
*2
有名な株価の暴落です。
*3
ドイツでは国民の一斉移動を避けるため、州により学校の休暇が違います。一番早い州では、6月末からすでに夏休み!
*4
財務大臣自身が、「ワイヤーカードの決算はおかしい。」と報告を受けていたのに、これを無視していたことが発覚。自身への非難を交わすために、首切りを実施した。
その財務大臣が首相候補になるのだから、ドイツの政治家も困ったもの。幸い、首相になるチャンスはほぼなし。