日本語の株式用語はわかり難い。
「折り込み済」
って、どんな意味かご存知ですか。
ドイツ語では、
“eingepreist”(値段の中に入ってる)
と言います。
株式用語なんか知らなくても、ドイツ語を話す人なら、意味がわかります。
これは、
「株価に諸所の状況がすでに反映されている。」
という意味です。
ドイツでは今週もまた、コロナ新規感染者数が激減。
当初、
「3連休で、テストの数が少ないだけ。」
といちゃもんをつけていましたが、感染者数、上昇しませんでした。
これは7日間平均の感染者数なので、日別で見ると(ほぼ)日本よりも少ない感染者数。
さぞかし株価が上昇したことだろう!
と思いますよね。
ところがすでに感染者数の減少は、
「折り込み済」
でした!
この記事の目次
DAX また(一瞬)最高値更新 – 買い材料に欠けて横ばい
それでも今週は、幸先よく、過去最高高値更新からスタート!
1万5559、20だったけな?
面倒なので1万5560ポイントとしましょう。
でもその先は横ばい。
金曜日になっても1万5490ポイント。(*1)
ほとんど動いていない。
過去最高値を再三更新した今、、さらに株を買う材料がない。
ここでももう3週間、
「コロナ感染者数、激減中!」
と書き続け、読むのも飽きたでしょ?
株価も同じ。
株価が横ばいだと、株が安く買えない、持ち株も売れないので、商売あがったり。
早く修正が来て欲しい!
という環境で注目を浴びた銘柄を紹介します。
ランボルギーニ 売却?
きっとトップの写真を見て、
と思った筈。
今週、VW社に
「ランボルギーニを75億ユーロで買いたい。」
とのオファーが届きました!
株価は、上昇。
VW株を買う機会を、1か月以上狙っているのに、また株価上昇。
これではいつまで経っても、買えないな、、。
もっともその後VWが、
「売らない。」
とオファーを蹴ったので、株価は少しだけ落下。
買うオファーを出したのがピエヒ一家+投資家だったので、結構、大きな注目を浴びました。(*2)
エアバス 生産体制強化
コロナ禍で一夜にして人気を博したのが、トイレットペーパー。
一夜にして、
「御役目御免」
となったのが飛行機。
ルフトハンザは43機の飛行機を、砂漠に送りました。
ここで解体されます。
コロナ禍の終焉が見えてくると、早速、10機をオーダー。
素人には、
「なんで?」
と思えますが、あの(ケチな)ドイツ人のすることなので、きっと意味があるんでしょう。
エアバスは、
「生産体制を強化する!」
と、部品を製造する会社に告知。
このニュースに株価が急騰!
しまった!
VW株に拘り過ぎた!
もっと視野を広くもたないと、株で生活はできないよ!(*3)
NordLink 完成!
ドイツは風力発電の先進国(*4)
風力発電の問題は、
「風が吹かない日はどうする?」
日本の政治家は、これを理由に導入を拒否してきました。
これを解決するのがNordLinkです。
日本語で言えば、「北のリンク」
実にドイツ(シュレシビヒーホルシュタイン州)からノルウエーまで、延々623Kmの送電線です!
福岡から韓国の距離の倍だよ!
風力発電で得た電気をノルウエーに送るんです!
ノルウエーではその電気を使って、ダムに水をくみ上げます。
風が吹かない日には、ダムで放水 & 発電。
得た電気をドイツに送る究極のクリーン エネルギー!
それがあるんです!
今、まだ工事中。
この壮大な送電線を運営しているのが、EONです。(*5)
コロナ禍でも、リーマンショックでも、電気は消費されるので、不景気のない分野。
ましてや送電線なんて、一回敷くだけ。
あとは何もしないでも、送電料金で稼げます!
あっ、株価が(何故か)落ちてる!
今、買いオーダー入れました。
買えるかな?
バイヤー 今度も負け戦!
かっては、
「世界一の製薬会社」
「ドイツで最も資産価値の高い会社」
だったバイヤー。
日本で、
「バイヤーがね、、。」
と話しても、
「何、それ?」
という反応ばかり。
アスピリンを発明して、大成長した会社です!
そのバイヤーの新社長、何を考えたか、【米】モンサントを買収。
これが時限爆弾付き。
以来、
「ランドアップ除草剤で癌になった。」
という訴えに見舞われています。
その数、数千。
裁判で負けて巨額の賠償金支払い命令。
株価低迷。
去年、
「原告団と和解した。」
とのニュースで株価急騰。
が、裁判所が、
「駄目」
と却下。
株価はまた落下。
52ユーロがちょうど、200日平均値。
これを割ったら、50ユーロも割ります。
ここまで落ちたら、
「買ってもいいな。」
と、オーダー入れておきました。
株ブーム Flatexdegiro株上昇!
ドイツでもコロナ禍で株を発見した人が多いです。
かくいう私もその一人。
素人投資家にとって、やっぱりオーダー費用は安い方がいい!
その素人投資家の💛をがっしり捉えたのが、Flatexdegiroです。
銀密に言えば、Flatexdegiroの子会社、”Flatex”です。
オーダー費用は、5.90ユーロ
コロナ禍で業績改善が止まらない!
ゴールドマンサックスが、株価の目標を154ユーロに引き上げると、過去最高値を更新!
ちょっと高過ぎ。
株は買う気しないですが、ドイツで株をやる人に、ひとつの選択肢です。
三度目の正直?ヴォノヴィア競合他社を買収!
ドイツにボッフムという街があります。
ルール工業地帯にある町で、かってはイケイケドンドン。
今は落ちぶれて失業率が高い殺風景な街。
産業なんて
「何もない。」
ように見えますが、DAX上場の会社、ヴォノヴィアの本社があります!
不動産屋です。
ドイツは10年以上続く不動産ブーム。
DAXには”Deutsche Wohnen”という不動産会社も上場。
実はヴォノヴィア、これまで二度も”Deutsche Wohnen”の買収を企てていました。
二度とも失敗。
敵対買収で試したんですが、十分な数の株式が取得できず。
「三度の失敗は許されぬ。」
と、今度は”Deutsche Wohnen”を説得してからの、買収オファー。
買収されるDeutsche Wohnen”の株価は、ロケット上昇。
「しまった!来るのが見えていたのに、乗り損ねた!」
と思った投資家は、私一人じゃない筈!
デリバリーヒーロー ドイツ市場に最上陸!
コロナ禍の勝ち組、デリバリーヒーロー。
宅配サービスの会社です。
コロナ禍が収まり始めると、株価も1年前の水準に戻ってきました。
今週、
「ドイツ市場に再上陸する。」
と発表。(*6)
「ドイツのお客さんに、もっと質のいいサービスを提供するため。」
が建前。
本音は神のみぞ知る。
今回はスーパー事業にも進出します。
店舗販売ではなく、アプリで欲しい物を買うと、宅配される仕組み。
行ってみれば、アマゾンみたいなもの。
トイレに入ってから、
「あ、トイレットペーパーが切れてる!」
と気が付いてアプリで注文すれば、
「7分でお届けします。」
だって~。
これから配達人を募集、配送センターを立ち上げていくので、大金がかかります。
これが株主に受ける筈もなく、株価は下落か、横ばいすることが多いです。
フードパンダ
そうそう、ドイツ市場ではアジアで買収した宅配サービス、
「フードパンダ」
の名前で再上陸するそうです。
そう、日本でもテレビで宣伝されているフードパンダは、実はデリバリーヒーローの子会社だったんです!
注釈 – DAX また(一瞬)最高値更新 – 買い材料に欠けて横ばい
*1
ドイツの株式市場は日本時間の16時(冬は17時)に取引開始。ブログは金曜日のお昼に原稿を書いているので、時差があります。
*2
あの有名なポルシェ博士の娘が結婚したのが、オーストリアのピエヒ一家。生まれた息子は、ポルシェに就職。
苗字がポルシェでないために冷遇されたので、VW社に鞍替え。VW社で「ただの技術者」から社長、会長まで登り詰め、最後はポルシェを買収して復讐を果たしました。
*3
コロナ禍で仕事がなくなったので、投資が本業です。
*4
日本は風力発電の後進国。
*5
EONはデュッセルドルフに本社を置く、ドイツで最大の電力会社でした。自社の発電分野と、他社の送電線事業を交換して、ドイツで最大の送電線会社になりました。
*6
2年前、ドイツ市場の販売網を商売敵に10億ユーロで売却、撤退しました。