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コロナウイルス – ドイツ危険状況【高】に新査定!

投稿日:2020年1月24日 更新日:

コロナウイルス - ドイツ危険状況【高】に新査定!

今、日本で話題のテーマと言えば コロナウイルス です。各テレビ局はによる報道合戦が展開されており、ただでもパニックに陥りやすい大衆の不安を、競って煽っています。

民放のテレビ局はお金を稼ぐのが目的なので、仕方ないと言えば仕方ないです。しかしこれをみて不必要に心配をする人が急増するのは、ゆゆしき問題です。

そこでここではその対極として、ドイツにおける病原菌研究の権威、ロバート コッホ研究所、それにドイツの厚生省の見解を紹介します。

ドイツ留学・旅行をご計画中の方、ご参考にしてください。

コロナウイルスって?

コロナウイルスは今回初めて登場したものではなく、かなり昔から存在している病原菌です。風邪を引き起こすウイルスは200種ほどありますが、コロナウイルスもそのひとつです。

参照 : algovir.de

その特徴は日本のアニメ、宇宙戦艦ヤマトやガンダムのように、さまざまなバリエーションがある点です。脊柱動物がこのウイルスに感染すると、ウイルスが変異してさまざまなタイプに変化して、寄生主にさまざまな症状を引き越します。

新種 コロナウイルス 2019-nCoV

2019年12月、中国の武漢市で原因不明の肺炎にかかるケースが相次ぎます。2020年1月7日、中国の厚生省はコロナウイルスが発症元であると特定。このコロナウイルスは新種、ベータ版 コロナウイルス”beta-Coronaviren”に属するものです。

医学上は、2019-nCoV と呼ばれています。遺伝子データから免疫力が強いコウモリが持つウイルスが、蛇に感染して今のタイプに変異したと中国の学者が解明しました。

参照 : br.de

武漢市の市場で売られている動物がこの新種ウイルスに感染、市場関係者、訪問者に感染したようです。

コロナウイルス - ドイツへの危険は小なり - ロバートコッホ研究所

人から人への感染

武漢の市場を訪問したことがない人、医療従事者が新種のコロナウイルスに感染。状況から人から人への感染が起きたと考えられます。しかしながら、人から人への感染力は2002/3年に発生したサース /”Sars” よりは弱く、限定的/”begrenzt”であるとされています。

参照 : ロバートコッホ研究所

このコロナウイルスの特徴は、潜伏期間中でも人にうつることです。

感染度は高い?

「新種のコロナウイルスは感染度が高い!」と報道されていますが、本当に感染力は高いのでしょうか。例えばはしかの患者が一人発生すると、これに感染する人は14名程度とされています。インフルエンザでは2名+程度。一方、このコロナウイルスでの感染は1,4~2名。

日本では「感染度が高く危険なコロナウイルス」と報道されていますが、冷静になって客観的に数字を見る限り、そのような報道は事実とは大きく異なります。

コロナウイルスの人から人への感染には、ウイルスに感染している人物とのある程度の密接な接触、例えば同じ空間にマスクを着けず長時間滞在するなどが必要です。

新種 コロナウイルス 感染症状

新種のコロナウイルスに感染すると、風邪の症状が出ます。咳、熱、悪寒、頭痛などです。鼻水が出ないのが特徴で、重症になると肺炎や呼吸困難を引き起こす可能性もあります。

危険性

死者も出ていますが、お年寄りが大半です。10代、20代、30代での死亡例はなし。40代の死亡例はありますが、その前に病気にかかって免疫力が低下していたため。健康な若い人が命を落とすことはありません。

対策

ウイルスが原因なので、抗生物質 /”Antibiotika”は利きません。そこで発熱の場合は解毒剤を飲むなど、普通の風邪薬を投与します。あとは自然治癒力が直してくれます。

健康な人なら一週間ほどで完治しますので、インフルエンザよりも直りは早いです。

ロバートコッホ研究所

病原菌の研究の分野では、世界的な権威であるローバートコッホ研究所がドイツにあります。

参照 : ロバートコッホ研究所

組織上は厚生省の直下の管轄下にあり、さまざまな病原菌の研究を行っております。本部はベルリンですが、ドイツ各地に研究所を持ち、それぞれの分野に特化して研究を行っています。

ドイツ危険状況【高】に新査定!

そのローバートコッホ研究所は、新種のコロナウイルスの感染者の急増にかんがみて、ドイツの危険状況をこれまでの並 /mäßig から高 / hoch と新査定しました。

参照 : ロバートコッホ研究所

同機関の想定では今後、国民の過半数がコロナウイルスに感染する恐れがあるとの事。医療機関がその機能の限界に達しないように、感染者の急増を抑えることが急務です。このためにドイツでは学校が休校になり、人が集まる催し物も中止、あるいは延期されています。

変異するコロナウイルス

上述の通りコロナウイルスは、異種間の感染の際に、変異することが多いです。日本のテレビ番組で「専門家」として登場する学者も、「今後、変異する可能性が高い。」と口をそろえています。まるで変異すると、とんでもない化け物が誕生するような口ぶりです。

しかし日本の専門家が口にしない、決定的な事が一つありあます。それは変異の際にウイルスが毒性を弱めることです。

変異で毒性を強めるケースもないわけではないですが、通常は、変異により毒性が弱くなります。ロバートコッホ研究所もこの点を指摘して、「危険性はない。」と言明しています。

ドイツの学者は大衆がパニックにならないように、この点を指摘。しかるに日本の学者はテレビ局の期待通りに視聴率を稼ぐ発言をして、危機感を煽っています。

心配になった視聴者は、テレビの前にかじりつき、少しでも最新の情報を得ようとするので、視聴率があがります。ここで風邪薬の宣伝を流せば、効果覿面です。

新種 コロナウイルス を利用した金稼ぎに注意!

昔から新種の病気が発生すると、これを金稼ぎに利用する人がいます。効きもしない薬を特効薬として売る死の商人に始まって、ネット上で危険を煽り、宣伝(アフリエイト)でお金を稼ごうとする人まで。

テレビ局などのメデイアも例外ではなく、「新型ウイルスはこんなに危険だ!」という報道に終始しています。

そのような報道に踊らされず、冷静に状況を分析しましょう。

ドイツ国内の死者2万5000人!

2017/18年にはドイツ国内でインフルエンザ/流感が猛威を振るいました。この流感 / “Grippe”の犠牲になった人の数は、2万5000人を超えました。

参照 : tagesspiegel.de

2020年1月にインフルエンザで死亡した人は50人+。コロナウイルスでの死亡者はゼロ。しかしながら、「2万5000人も死んでるから、ドイツに行くのは危険。」と思った人はゼロ。しかし今回のコロナウイルス騒動では、死者の数も少ないのに、「海外に行くのは怖い。」と思われる方が多くなっています。

ネットメデイアを始め、テレビ局までも国民を不安に陥らせる報道に終始しているためです。テレビで報道されない限り、どんな危険があっても気が付かないというのが、日本の現状です。どうかメデイアの報道も惑わされず、事実を自分で見極めて、冷静に判断してください。

死者50万人!!恐怖の豚インフルエンザ

「どんな危険があっても気が付かないというのが、日本の現状です。」と書きましたが、もうひとつその例を紹介しておきます。

2009年メキシコで豚インフルエンザが発生、強い感染力と毒性で半年で50万人を超える死者が出ました。

参照 : zeit.de

ところが日本の反応はほぼゼロ。「豚インフルエンザなんて、聞いたことがない。」と言われる方がほとどです。コロナウイルスの死者が1000人を超えて今、大騒ぎしていますが、豚インフルエンザではその5000倍の死者が出ています。

日々、メディアが視聴率稼ぎで恐怖を煽っているので難しいかもしれませんが、これに扇動されないように、冷静に事実に目を向けましょう。

ドイツと日本、どっちが安全?

「渡独するのは危険でしょうか。」と、お問い合わせいただきました。その回答は、上述の通りです。

仮に皆さんが心配されているように、新種のコロナウイルスが猛威を奮い、2002/3年のサースのように感染者が増加、死者が多く出るようになったとしましょう。

その環境下でドイツと日本、どちらに住む方が安全だと思いますか。

勿論、ドイツです。日本に比べれば中国人観光客の数が圧倒的に少ないドイツの方が、「危険なコロナウイルス」に感染する可能性は低いです。

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ドイツでのコロナウイルス感染例

1月28日、バイエルン州の”Starnberg“(ミュンヘンの左下/南西)の男性が、コロナウイルスに感染していたことが判明しました。(注1)

参照 : tagesschau.de

病院に収容されて治療を受けていますが、ドイツの保健所 /”Landesamts für Gesundheit und Lebensmittelsicherheit、通称 LGL の発表によれば良好な状態 /”klinisch in einem guten Zustand”にあるそうです。初期段階では、これ以上の情報は公開されていません。

1月28日の午前中(日本時間で夕方)、”LGL”は記者会見を開き、記者からの質問に答えるそうです。詳しい内容は以下の項目にて。

(注1)

その後、最初の感染者は Starnberg ではなかく風光明媚なランツベルク在住の男性とわかりました。

感染の経緯

“Webasto”は中国に生産拠点を持つ自動車部品メーカーです。

参照 : webasto

中国人社員を講師として招き、社内で講義を行います。この講師役の中国人は上海に住んでいるのですが、よりによってドイツに出張に出かける前、武漢から両親の訪問を受けます。

この講師、ドイツ滞在中は症状がなかったものの、帰国のフライトで具合が悪くなり上海空港で申告。病院に運ばれて新種のコロナウイルスに感染していることが判明。大急ぎでドイツの会社に連絡して知らせます。

一方、講義に参加していたドイツ人、講義の後で具合が悪くなり、会社を休みます。週末自宅で休養すると回復したので、月曜日、会社に出勤。すると会社から連絡を受けた保健所が会社にやってきて、男性を捕獲。こうしてドイツで最初の感染者が確定することになりました。

感染後の健康状態

33歳という若さもあったので、数日でコロナウイルスを克服、すでに月曜日には出勤したほどです。ミュンヘンの感染病院に収容されてはいますが、熱もなく、健康状態は良。

病院長も記者会見に臨みましたが、会見でジョーク(すべった)を言うほど、経過は順調との事。

政府の声明

ドイツで最初の感染例を受けてドイツの厚生省は声明を出し、「最初の感染例が出ることは、前から分かっていた。ドイツでコロナ ウイルスが広がる可能性は、今の時点でも前と同じで低い。」と声明を出しました。

さらには、「バイエルン州でのケースは、我々が周到な準備を整えていたことが証明された。」と、余裕のコメントを出しています。

参照 : ドイツ厚生省

厚生大臣の余裕の記者会見模様はこちら

コロナウイルス感染の拡大 – 第三次感染?

ドイツで最初の感染者が発覚してから、この講義の参加者、及び感染した社員の同僚は自宅での自主隔離を命令されます。1月28日夕方(ドイツ時間)、「感染した社員の同僚3名が、コロナウイルスに感染していた。」とバイエルン州の厚生省が発表しました。

新たな感染者、それも第三次感染の発覚を受け、保健省は感染した人物と2m以内の距離で15分以上のコンタクトがあった人物に、自主隔離を推奨しています。(現時点で)4名の感染者を出した”Webasto”は、これ以上の感染者を出さないため、来週まで臨時休業。

この自動車メーカーのある田舎街、”Gauting”では、ドイツで最初のコロナウイルス感染がこんな田舎で発生して、住民は大いに驚いています。

ドイツ人はマスクをつける習慣がないので、薬局に行っても品揃えはわずか数枚。その数枚は即時に売り切れ。今後、感染者の増加と共に、ドイツ全土でマスクの需要が急激に高まりそうです。アマゾンのマーケットプレースで売る?

今、チェックしてみると、ここでも中国人が大挙し販売しています。

参照 : amazon.de

ドイツ人は日本語と中国語の見分けができません。販売される方は、日本製を強調したほうがいいですね。

新たな感染者

かなり長くなったので、また、これからも長くなりそうなので、過去1か月だけこちらに乗せています。感染状況の過去ログはこちらでのページでご覧いただけます。

3月01日

ドイツにおける確認された感染者は70人に上昇。ベルギー国境にある片田舎 Heinsberg 周辺では、50人の感染者が確認されています。日本の雪まつりのように、カーニバルで感染が拡大したうようです。

3月03日

ドイツにおける確認された感染者は150人に上昇。感染が一番多いのはNRW 州 で90人以上が感染。その中でもハインスベルクでは、78人が感染しています。

コロナウイルスは東ドイツにも広がり、ベルリン、ザクセン州、テユーリンゲン州、ブランデンブルク州などもでも、最初の感染例が報告されています。

3月08日

ドイツにおける確認された感染者は795人に上昇。コンサート、見本市などは次々に中止、あるいは延期となり、ルフトハンザは「フライトの50%をキャンセルする。」と発表しました。

3月12日

ドイツにおける確認された感染者は1567人に上昇。しなしながら死者は、基礎疾患を持つ高齢者の2名だけ。一方、ドイツではインフルエンザでの死者が200人。健康な人にとって新型コロナウイルスよりも、インフルエンザのほうが怖いのでは?

3月19日

ドイツにおける確認された感染者は8198人に上昇。感染による死者は12名になりました。

更新情報が長くなりそうなので、ロバートコッホ研究所のサイトを紹介します。ここで日々、感染者数が更新されています。

参照 : rki.de

武漢脱出!ドイツ政府 国民の帰国を決定

武漢には、車メーカーなどで働くおよそ90人のドイツ人が滞在しています。フランスや日本政府が自国民を武漢から帰国させるべく専用機を派遣したのに続き、ドイツ政府も専用機を武漢に飛ばす決定をしました。

ドイツではこういう事態では民間機を送るのではなく、このような事態を想定して訓練を受けたドイツ空軍機を派遣します。これが中国政府の反対に遭い、未だに救出便が出ていません。中国政府は民間のチャーター機を要求しています。

救出作戦

ドイツ政府が派遣する飛行機に乗れるのは、

  1. 症状の出ていない人。
  2. 帰国後、2週間の隔離生活に同意する人。

というのが、日本との大きな違いです。

一部の報道機関は先走り、「中国政府はドイツ空軍機の着陸を許可した。」と報道。

参照 : bild.de

しかし即座に厚生大臣がこれを否定。私営のメデイアは視聴率を狙って、裏付けを取らないで推測報道をするので、注意が必要です。

まだ直陸許可は出ていませんが、ドイツ政府の発表では明日、2月1日(土曜日)に軍用機が武漢に向かって出発する予定です。

帰国費用は誰が払う?

帰国便の費用の大部分は、ドイツ政府が持ちます。ただし日本のケースと同様に、「費用の一部は、帰国便を利用する市民にも払ってもらう。」との事。

ドイツでは人質誘拐事件でも、「身代金は政府が払うが(公式には身代金は払ってません。)、交渉にかかった費用は救出された者が払う。」となっており、「親方日の丸」的な考えはありません。

帰国者の隔離

その一方で、帰国した国民を隔離する施設の準備が整いました。まさか感染の可能性がある市民を民間のホテル、それもツインルームに入れるわけにはいきません。

隔離には人員削減で空いているドイツ軍の宿舎が利用されます。

更新情報

最後は中国政府もドイツ政府の要求に折れ、軍用機の着陸許可を出したので、計画通りドイツ空軍機は土曜日に離陸。

参照 : fnp.de

武漢では予想を上回る128名の乗客を収容。詳細は明かされていませんが、中国国籍者なども搭乗を許されたそうです。この辺が日本とドイツの違いですね。日本だったら絶対に駄目でしょう。

帰国便はロシア/モスクワで燃料補給をする予定でしたが、ロシア政府がこれを拒否。急遽、ヘルシンキで給油すると、無事、日曜日にドイツに到着しました。

-ドイツの最新情報, 社会、教育事情

執筆者:

nishi

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