
今回は
「遅ればせながら」
ですが、2024年の夏から欧州全域でスタートした”Wero”を取り上げます。
でも、誰も知らないでしょ?
ドイツ留学して、
「何ソレ?」
と悩まなくて済むように、ドイツの達人が一肌脱いで解説します。
この記事の目次
欧州独自の支払いシステムがない!
ドイツにはすでに
- Visa
- Master
- Paypal
- Apple Pay
- Google Pay
などのオンライン支払いが普及しています。
(普及している順番です。)
が、すべて米国製。
そう、EU には銀行送金以外の
「欧州独自の支払いシステム」
がないんです。
日本でさえ、
”Paypay”
という国産の支払いシステムがあるのに。
この
”Manko”(不足)
を補うために、EUは新たな支払いシステムの導入を決めました。
それが”Wero”なんです。
失敗作
上で
「欧州独自の支払いシステムがない。」
と書きました。
実際には
「あった」
んです。
そう過去形です。
失敗作の代表的なのものが
- Giropay
- Kwitt
です。
前者の発案はドイツ銀行系。
後者の発案は”Sparkassen系”です。
そう、
「ドイツ国内の覇権獲得」
を目指して小競り合い。
結果、どちらも
「米国発の支払いシステムの壁」
を崩せず、お払い箱になったんです。
“Wero”欧州全域でスタート!何ソレ?
失敗から
「教訓」
を学んで今度は
「かっての敵」
であったドイツ銀行系列 & “Sparkassen”系列が手を結び、
「欧州の支払いシステム」
である
“Wero”
の導入を決定。
その
「ヴェロ」
は、欧州統一の支払いシステム開発機構(EPI)に参加しています。
すなわち!
おフランスやスペインにも、”Wero”で支払い・送金ができます。
相手側の銀行が、ヴェロに参加していればですけどね。
“Wero” 特徴 送金が超~簡単に!
ヴェロは後発組なので、
「成功した先駆者」
の商売方法に学び、幾つかの利点を提供しています。
まずは、
という点。
言わずもがな、
でも送金の際は、22ケタの番号を打ち込む必要がないんです。
検索欄に相手の名前、あるいはメールアドレスを打ち込むだけ!
するとその名前で、”Wero”に登録されている口座保持者が表示されます。
あとはこれを選ぶだけ!
便利でしょ?
“Wero” 特徴 リアルタイム送金
今年(2025年)の10月からリアルタイム送金が導入されました。
“Wero”もこのリアルタイム送金を利用しているので、
「ほぼ瞬時に」
相手の口座にお金が届きます。
さらに!
銀行のリアルタイム送金だと、
「口座番号と口座保持者の名前が一致しません。」
「それでも送金すると、あなたのお金はパー。」
「それでもいいですか。」
という脅しが出る。
ドイツの達人の私でさえ、送金する度にドキドキします。
でも”Wero”ではそんな脅しがないので、安心して送金できます。
DSGV
さらに!
“Wero”は欧州の送金システムなので、”DSGV“(消費者情報保護法)を順守。
貴方の情報が米国の諜報機関や
「データ屋」
に売却される心配がない!
安い手数料
日本で
「支払いシステムの覇権争い」
を制した”Paypay”。
消費者には嬉しいが、店舗には辛い。
その手数料は決済額の1.98%。
それでもクレジットカードの3%(程度)に比べたら安い。
お陰で、日本では安売りスーパーを除き浸透。
で、
なんと
“spottbillig”(激安の)
0.77%なんです!
店舗は大歓迎。
“Wero” 欠点
もっとも世の中、
「いい事ばかり」
じゃない。
まだ”Wero”を支払いで使える店舗が少ない。
とりわけ大手のアマゾンが受け入れてない。
その一方でドイツ発の大手通販サイト
“Otto”
では導入済み。
又、ドイツの銀行でも
“Commerzbank 系列”
は不参加を表明。
加えて何故か、日本人留学生に人気のスマホ銀行
“N26”
も不参加を表明。
しかし!
もし”Wero”が普及すればこれらの
「不参加組」
も考え直します。
言い替えると、
「ヴェロが成功したかどうか」
は、これからの銀行や大手通販サイトが
「導入に踏み切るかどうか」
でわかります。
ちなみに導入から1年で、4千400万人がアプリをダウンロード。
結構、人気です。
使い方
そうそう、使い方も簡単に解説しておきます。
あなたが
- ドイツ銀行系列
- “Sparkassen”系列
の銀行に口座を持っていれば、口座設定で”Wero”をアクテイブにするだけで使用できます。
他の系列銀行に口座を見っている場合は、アプリのダウンロードが必修。

