ドイツは今、難民危機のど真ん中。
「嘘でしょ!?」
というくらいに難民が押し寄せるので、体育館などを臨時の受け入れ施設にしている。
が、押し寄せる難民の数は減る気配がない。
「もう限界だ!」
という自治体の訴えを受けて、
「緊急難民会議」
が開かれた。
その会議で支持率低下に悩むドイツ政府は、これまでの難民政策からの転換を決定した。
この記事の目次
難民危機 2,0
これまでの
「過去最悪」
難民危機は2016年。
1年でほぼ75万人が難民申請をした。
2023年は1月~8月までで22万人。
年末までに28万を超えそうだ。
と聞けば、2016年に比べて、
「全然少ない。」
と思えるかもしれない。
でも2022年は24万人の難民が来ている。
2021年は19万人。
3年で岡山市(人口70万)の人口を超える難民がやってくるわけだ。
とてもじゃないが
「消化」
できるのもではない。
勿論、日本のように難民申請をする外国人を
「申請却下」
すると逃げないように
「死ぬまで」
移民局という名前の監獄に閉じ込めておけるなら話は別。
ドイツでは
「難民申請は権利」
なので、申請期間中は監獄に拘束できず、
- 相応の居住空間
- 生きていけるお金
- 医療
を与えなくてはならない。
そこで自治体が市内の
「空き部屋」
をすべて借りあげた為、原住民の部屋がない。
加えて家賃の上昇。
「これ以上、難民を受け入れるな!」
と、国民の意識が変わってきた。
何故、難民の数は減らないのか?
でも、何故、難民の数が減らないのだろう?
と、わざわざ聞くまでもない。
「難民のデポ」
であるシリアとアフガニスタンの状況は一向に改善していない。
加えてパキスタンが今、
「出ていけ!」
と追放しているアフガン難民が
「じゃ、ドイツに」
と考え直すのは時間の問題。
加えてロシアは難民を武器として利用。
飛行機で難民をベラルースまで連れてくると、ポーランド国境に向けて開放。
するとポーランド政府は、
「憎っくきドイツへ仕返しだ!」
と、この偽装難民にビザを支給してドイツ国境に送り込んでいる。
Schleuzerとは?
それだけでも大変なのに、
「油に火を注ぐ」
のが
“Schleuzer”(シュロイザー)
の存在だ。
”Schleuzer”
とは難民マフィア。
「3万5000ユーロ払えば、ドイツまで連れていってやる。」
といい、ポーランド、ウクライナ、トルコ、アフリカなどで
「客」
を集めると、今にも沈みそうなボートにすし詰めにしてイタリアなどを目指す。
勿論、難民には3万5000ユーロ(570万円)なんて金はない。
そこで、
「ドイツ政府が払う生活費で返せ。」
という契約を結ぶ。
約束を破れば、故郷の親族が殺されるか、若い娘がいれば売春窟に売られる。
先月、そんな難民マフィアのバンを警察がチェコ国境の高速道路で発見。
バンは停止命令を無視して暴走した挙句に横転、子供を含む7名が死亡。
事故を生き延びた難民マフィアは、ウクライナ人だった。
自治体の悲鳴
今、ドイツの自治体には
「1500人/週」
の難民がやってきている。
その難民の世話を押し付けられる自治体によると、難民一人頭
「1万ユーロを超える初期費用」
がかかるという。
結果、自治体は経営破綻の寸前にある。
そこで州知事が集まり、
「中央政府が金を払え!」
との要求で一致した。
加えて政府与党の支持率の低下も加わって、
“Migrationsgipfel”(緊急難民会議)
が開かれた。
ドイツ政府 遂に難民政策を転換
この難民会議は朝の2時まで続いた。
ここで
- 難民申請の加速審査
- 現金支給を辞める
- 難民の強制送還手続きの強化
- 自治体へ7500ユーロ/頭の支払い
などが決定された。
メデイアが
「歴史的な転換」
と呼んだのは、
「難民申請を現地で行う(ようにする)。」
というもの。
すなわち!
難民マフィアを使ってドイツまで来た難民に、
「難民申請はあなたの国で挙げてください。ここでは受付けできません。」
として強制送還してしまうのだ!
これが現実化すれば、そもそも
「ドイツに行こう!」
という難民がいなくなる。
しかし!
この
「難民の現地申請制度」
は伝家の宝刀ではあるが、EUが定めている
「難民申請の権利」
に抵触する。
この為、まずは
「EU難民申請権利」
を改訂して、
「EU加盟への難民申請はまずは故国で行う。」
としなければならない。
これには数年かかる。
加えて難民申請を拒否された偽装難民は
「逃げないように」
30日まで収容できるようになった。
収容と言えば聞こえはいいが、日本の移民局と同じ
「ほぼ刑務所生活」
だ。
そして難民マフィアにお金が払えないように、現金支給を辞める。
難民がもらえるのはカードだけ。
難民マフィアに借金が返せないと、
「えらい事」
になるので、難民マフィアを使う人を減らす目的がある。
これらの政策は、
「ドイツに行っても割に合わない。」
と知れ渡れば効果が出るだろうが、短期的には効果がない。
しばらくは難民危機は悪化しそうだ。
もっともドイツ政府は、自分で自分の首を絞めるようなこともやっている。
メローニ首相 激怒す!
今回の難民会議での出来事ではないが、どうしても紹介したい出来事がある。
難民はイタリアやギリシャの島を目ざしてボートでやってくる。
ボロボロのボートに定員の2~3倍の難民を乗せるので、よく沈没する。
その難民を救う目的で民間の
“Seenotretter”(難民救出船)
が地中海でパトロール中。
イタリアのメローニ首相にとって、これは
「闘牛の赤い布」
である。
というのもドイツ政府は我々の税金から、この難民救出船の費用を出している。
本国では難民に困っているのにだ!
そして難民を救出するとイタリアの港に
”SOS”
を出して強制入港。
難民をイタリアの警察に渡すと、
「あとはよろすく。」
と全く面倒をみない。
イタリア政府から打診を受けたドイツ政府も、
「難民?受け入れないよ。」
と氷のような態度。
メローニ首相が怒るのも当たり前。
なんでドイツがこんな政策を取っているのか、意味不明。
そこで先月、
「ドイツは難民救出船への援助を辞めよ!」
とEU議会での難民会議でメローニ首相はドイツに最後通牒をつきつけた。
流石に本国でも難民問題に悩んでいるドイツ政府は、
「2024年から辞めます。」
と折れた。