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プロパガンタ戦争 ヘルソン奪回大反攻始まる?

投稿日:2022年9月3日 更新日:

8月29日、ウクライナはヘルソン奪回を目指した

“Großoffensive”(大反攻)

を開始したと発表。

多くのメデイアが、これをそのまま飲み込んだ。

が、これはウクライナが巧みに仕込んだプロパガンタ戦争だった。

プロパガンタ戦争

シリア内戦での話。

しぶとく抵抗する反政府軍支配地域の住民に対して、

「人道回廊」

を設置するとロシアが発表。

これを信じて民間人が人道回廊に人が集まると、ロシア軍は集中砲火を浴びせた。

これはロシア軍の十八番。

今回のプーチンの戦争でもロシア側は

「人道回廊」

を設置すると発表。

これを信じて人道回廊に人が集まると、砲撃で歓迎した。

これは国民の抵抗心を砕き、あわよくば

「死にたくない。」

という生存本能を利用して、内通者を作り上げるのが目的だ。

しかるにうぶな日本人は

「何故、人道回廊が守られないの?」

と、まるで火星にでもいるかのような質問をしていた。

これがプロパガンタ戦争と言うもので、敵国市民の抵抗力を心理作戦で潰すのが目的。

民間人を救おうなんて、ロシア軍はこれっぽちも考えていない。

が、プロパガンタ戦争にはもうひとつの方法もある。

宣伝大臣ドクダーゲッペルス

もうひとつのプロパガンタは、自国民に向けたもの。

その手管は、宣伝大臣ドクターゲッベルスの手腕を見ればよくわかる。

ヒトラー神話を作り、神格化する。

その一方で、

「ユダヤ社会は、ドイツの滅亡を画策している。」

とスケープゴートを提供。

戦争によるさまざま不満のはけ口は、ユダヤ人に向けられる。

お陰で真昼間にユダヤ人を駆り立てても、国民は文句を言わない。

それどころか、

「ヒトラー神話」

を利用して、国民を団結させることができる。

ちょうど日本が天皇を神格化して、

  • 鬼畜米英
  • ABCD包囲網

などと敵を作り上げたのと同じ。

ウブな国民ほどこれを信じる。

実は

「ウクライナ軍の大反攻始まる!」

もこれに類するものだ。

ヘルソン奪回大反攻始まる?

8月29日、ウクライナ軍はヘルソン奪回を目標にした大反攻を開始したと発表した。

 

これを聞いて、

「えっ、本当なの?」

と思った方は多い筈。

そもそも反攻に出るには、

  1. 防御側の3倍の兵力
  2. 大量の火砲・弾薬・補給
  3. 大量の戦車・装甲車
  4. 企図の秘匿

が欠かせない。

が、ウクライナ軍の南部戦線の兵力は、ぜいぜいロシア軍に均衡している程度。

火砲と戦車に至っては、セベロドネツクの消耗戦で数少ない重火器を多く失い、

圧倒的な劣勢にある。

こんな戦力で大反攻に出れるわけがない。

(旧日本軍のインパール作戦を除く。)

ましてや攻勢に出るなら、その企図は秘匿するもの。

しかるにゼレンスキー大統領は2か月前から、

「南部で攻勢をしかける。」

と宣伝している。

どの点を見ても

「大反攻」

を可能にする要素がない。

実際には

「ウクライナ軍の大反攻」

の実態は威力偵察に

「毛の生えたもの」

だった。

威力偵察とは?

どこの軍隊でも、攻撃を開始するためにレコン(偵察活動)を行い、敵の陣地配置を探る。

が、それだけでは

「どこが弱点なのか。」

わかり難い。

これを探るのが威力偵察というもの。

敵の陣地に局地的な攻撃をしかけて、敵の反応を見る。

間髪入れず、大砲が雨あられと降れば、

「この陣地は強固だから、本攻撃では避けるべき。」

となる。

ウクライナ軍の本当の狙い

ウクライナ軍のもうひとつの狙い

ウクライナ軍の本当の狙いは、東部戦線に集中しているロシア軍を弱体化させること。

この目的の為に

「ヘルソン州での大反攻」

というプロパガンタを発案。

このプロパガンタに

「信用性」

を与えるべく、みせかけの大反攻を実施した。

すると世界のメデイアだけでなく、ロシア軍も見事に騙された!

ロシア軍は東部戦線から部隊を引き抜いて、ドニエプル川の西岸に約2万人の部隊を駐留させた。

ウクライナ軍 東部戦線で大攻勢!

ロシア軍が兵を南部戦線に部隊を送った間隙を利用して、ウクライナ軍はこれまでは撤退一方だった東部戦線で攻勢に出た。

そう、南部での大攻勢は

“Finte”(ごまかし)

だったのだ!

まずはウクライナ軍は、ロシア軍に邪魔をされることなく渡河作戦に成功。

橋頭保を築くと、そこから一気に攻勢に出た。

ロシア軍が兵力を南部戦線に引き上げたのが原因で、東部戦線ではウクライナ軍は兵力、武器弾薬、火力でロシア軍を上回り、まさに反攻の条件が揃っていた。

このロシア軍の不意を突いた攻勢で、ウクライナ軍は1日で15kmも敵の防衛線を突破。

広大な地域を奪還することに成功している。

このままいけば、あと数日でロシア軍の生命線である大事な補給路もウクライナ軍が支配することになりそうだ。

重要拠点 クピヤンスク

反攻3日目になるとウクライナ軍は戦果を拡大。

ロシア軍の防衛線を完全に突破して、1日で50kmも敵地深く侵入することに成功。

攻撃部隊の槍の先は遂に道路と鉄道が交差する要所、クピヤンスクに達した。

この地はロシア軍が東部戦線の部隊への補給を行う要所であるばかりか、

「新ロシア派のハリコフ州の首都」

も置かれていた。

そのクピヤンスクの南には、ロシア軍の拠点イジュームがある。

もしクピヤンスクが落ちれば、ロシア軍はイジュームからの撤退以外に道はない。

質問
なんで?

 

もしクピヤンスクが落ちれば、イジュームは北、西、南の三包囲をウクライナ軍に包囲されるから。

補給路が断たれているのに、包囲戦を戦うのは無意味です。

玉砕したければ、話は別ですが。

唯一の逃げ道は東。

が、そこにはそこにはオスキル河がある。

その橋は、ハイマースによって破壊されている。

ロシア兵がイジュームから逃げるには、南に大回りする国道を使うか、軍がかけた臨時の橋を使うしかない。

が、重火器を持っての移動は困難を極める。

もしウクライナ軍がイジュームの包囲に成功すれば、近隣に展開しているロシア軍1万数千人が袋のネズミになる。

もし戦争のこの局面で1万人が捕虜になれば、プーチンの戦争は敗戦で終結する。

どうする?

ウクライナ軍クピヤンスクを奪取!

ロシア軍はウクライナに

「まんまとはめられた!」

と気づいたが、今、ヘルソンから兵を引くと、今度はヘルソン州が落ちる。

そこでロシア軍は、ロシア領から戦術予備を東部戦線に送った。

ここで問題は、ウクライナ軍とロシア軍の援軍、どちらが先にクピヤンスクに達っするか?

が、蓋を開けてみると、心配するまでもなかった。

クピヤンスクを守っていた筈のロシア軍は、ウクライナ軍に

「あっ」

という間に一掃されて、援軍が届くまでの時間を稼げなかった。

クピヤンスク陥落の数時間後、ロシア軍はハリコフ州全域からの

「転進」

を発表した。

日本軍が米軍に押されて撤退する際に、

「撤退」

という言葉を使用せず、

「転進」

と言ったのと同じ。

国民に嘘を言う政府が使う言葉は、国が違っても同じなのは実に興味深い。

ウクライナ軍 イジューム奪還

クピヤンスク陥落後、ロシア軍はイジュームからの撤退を発表した。

同時に、

「新ロシア派の市民」

にハリコフ州からの非難を勧告。

ロシア人は大挙してロシア国境に車で押し寄せて、大渋滞が発生。

なんと国境ではロシアが、新ロシア派の市民の越境を拒否していたのだ!

その光景は、ドイツ軍の電撃作戦で逃げ惑うフランス市民の姿を彷彿させた。

ここで大事なのはスピード。

ロシア軍に重火器をトラックに積んで撤退する時間を与えないでイジュームに達すれば、大量の重火器・弾薬を捕獲できる。

そんなことは百も承知のウクライナ軍、即日イジュームまで南下した。

ロシア軍が市内各所に罠をしかけているから、

「イジューム完全制圧」

にはまだ時間がかかるが、それは軍の工兵隊に任せておけばいい。

加えてロシア軍が撤退命令を下したハリコフ州には、まだ数千のロシア軍が取り残されている。

ウクライナ軍の奪還地域に浮かぶ島のような存在で、脱出できる可能性はない。

この残存部隊の処理が済めば、ウクライナ軍はさらに東に向けて反攻を継続できる。

天候次第では、夏のロシア軍の攻勢で失ったセベロドネツクの奪還も夢ではない。

オスキル河の渡河

イジュームを奪還後、

「急を要す」

のはオスキル河の渡河だ。

喜びに浸るあまりウクライナ軍が

「進軍の足を止めるのでは?」

と心配していたが、ロシア軍後退のドタバタに便乗してオスキル河を渡河、橋頭保を築いた。

この敏速さには脱帽もの。

ドイツ軍が第二次大戦で負けた原因のひとつが、英軍とフランス軍が

「袋のネズミ」

になっていたダンケルクへの攻撃停止止令。

お陰で英軍とフランス軍は、脱出に成功した。

その失敗の轍を踏むことなく、敵の撤退を利用して、どんどん軍を進めている。

10月になると雨と雪が降り始め、ウクライナの大地は泥沼に代わる。

そうなれば戦闘は嫌でも、休止状態になる。

それまでウクライナ軍は

「失地」

をどれだけ回復できるだろうか?

イジュームで大量の重火器を捕獲!

イジュームの制圧に成功したウクライナ軍が、市内で見たのはロシア軍により放棄されていた大量の

  • 戦車
  • 装甲車
  • 自走砲
  • 対戦車砲

などの宝の山だった。

おまけに山のような弾薬。

これを見たウクライナ軍兵士は、

「一人に戦車1台あるぞ!」

と狂喜していた。

退却時に持って行けない重火器は破壊するものだが、ロシア軍は燃料タンクに火をつけることさえもせず、すべての重火器を

「置いたまま」

退却していた。

あまりにも大量の重火器を見て、

「もうドイツが戦車を提供しなくても、これで足りるんじゃないか?」

と言われるほど。

これらの大量の重火器は、ウクライナ軍の今後の追撃で大いに役に立つだろう。

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執筆者:

nishi

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