
9月6日、ザクセン・アンハルト州で行われた選挙で極右政党が圧勝。
これで最初の
「極右の州知事」
が誕生するのは、ほぼ確実となった。
ドイツでは上院の議席は、州知事を出す党に与えられる。
こうして極右政党は遂に、全国政治にも影響を与えることになった。
この記事の目次
ザクセン・アンハルト州 とは?
“Sachsen-Anhalt”(ザクセン・アンハルト州)
は、西ドイツと東ドイツの境界にある州。
州都のマグデブルクはニーダーザクセン州の州都、ハノーファーから右(東)に140Kmしか離れていない。
よく言えば、自然に恵まれた州。
悪く言えば、過疎化が進んでいる。
面積は四国よりも10%広いが、全人口は210万人と名古屋より少ない。
人口密度で言えば、四国の半分程度。
東ドイツが西ドイツに吸収されると、競争力のない東ドイツ企業は軒並み倒産。
若い人は仕事を求めて西側に移動した。
残っているのは、そんなチャンスを逃した人。
辛い思いをしたので、西側を恨んでいる。
東西統一後、CDU が州知事を出してきたので、
「ある意味」
保守的な人が多く住む地域である。
予想通りの選挙結果
もう数年前から、
「次回の選挙では極右政党が勝つ!」
と警告してきました。
これに加えて今回は、メルツ首相の数々の失言と物価高で
「オッシー(東ドイツ国民)」
は怒り心頭。
政府与党がボロ負けするのは、やる前からわかっていた。
そして選挙結果は
「予想通り」
でした。
日本での報道も、
“BBC”
に限って言えば、
大きく、外している点はなし。
この為、
「わざわざ記事を書かなくてもいいじゃない?」
と思ったんですが、
「微妙な細部」
に不満があったので、やっぱり紹介します。
ザクセン・アンハルト州選挙 極右政党圧勝
州選挙結果は以下の通り。

与党 CDU は、先回から得票率を半減させるウルトラCを成し遂げた。
シュルツ州知事は選挙応援にやってきたメルツ首相をできるだけ、
「公に出さない」
ように努力したが、無駄だった。
メルツ効果、効果覿面!!
そして極右政党 AfD は予想通り圧勝した。
注目してもらいたいのは BSW という見慣れない政党だ。
開票当初から中盤にかけて、
「BSW の得票率は5%未満」
だった為、
「議席獲得ならず」
の予想。
その場合、極右政党の議席が2議席増えて
「単独で過半数を獲得!」
となっていた。
極右政党の州知事誕生?
ではここで質問。
ちなみに各党の獲得議席数はこう。

計算上は、
CDU + Linke +SPD + Grüne + BSW の5党連立で過半数を獲得できる。
が、これは到底無理。
主義主張が違い過ぎる。
そこで過半数を獲得する唯一の策は
AfD+ BSW
しかない。
これを睨んで、極右政党は選挙前から BSW に色目使いをしていた。
もっとも BSW の選挙前の公約は、
「極右政党とは組まない!」
だった。
しかし!
BSW は先の総選挙で得票率が5%に届かず、国会から消えた。
この為、州政府に参加して目立ちたい & 名を売りたい。
こうした点を考慮すれば、戦後史上初の極右政党の州知事が誕生する可能性が捨てきれない。
もっとも BSW が
「財務省をよこせ!」
と過大な要求をすると意見別れ、誰も過半数を取れず
「州選挙やり直し」
の可能性もある。
極右政党政権 短命政権?
仮に極右政党と BSW の連立政権が誕生したと仮定してみよう。
そもそも BSW は左翼政党の嫌われ者が脱退して築いた党。
この為、極右政党と共通しているのは、
- ロシアべったり政策
- 移民削減政策
の二点だけ。
ちょうどナチス・ドイツがスターリンと
「不可侵条約」
を結んだのと同じで、利益が一致する間はうまく行く。
が、根本的な所で大きく異なる二つの政党は、国際結婚のようなもの。
最初はいいが、1年、2年と経つと
「相手の受け入れられない点」
ばかりが目に付いてくる。
結局は、ご破算になる。
勿論、すべての国際結婚が離婚で終わるわけではないが、
「極右政党 + 嫌われ者同盟」
というエゴの塊同士が、うまく行くとは到底思えない。
メルツ首相 辞任要求
そして案の定、
「この首相では次回の国政選挙は戦えない!」
と、メルツ首相への辞任要求が早くも上がっている。
東ドイツの州選挙はあと2回。
どちらでもCDUの大敗は避けられない。
惨敗したメルツ首相への党内支持がどれだけ続くだろう?
この前のサッカーワールドカップでは、惨敗したドイツチームの監督は3日後にクビになった。
メルツ首相 信任投票を計画
あちこちで
「責任を取って、辞めないんですか?」
と尋ね続けられたメルツ首相。
流石に、置かれた状況がわかってきたらしい。
日本時間で9月15日夕刻、
「メルツ首相は信任投票を行う。」
と報道された。
日時は9月20日の17時~。
この日はメックレンブルクーフォーアポマーン州(東ドイツ)で選挙がある。
その選挙結果が出る前に、
「白黒つけようじゃないか。」
というわけだ。
選挙結果の後だと、負けますからね。
首相はNRW州知事のヴュースト氏など、
「大物政治家」
の援護射撃を期待しての事。
が、先回の内閣改造でラインランドーファルツ州の反対票は必至。
信任投票で負ければ、
「ドイツ史上 最短命首相」
となる。


同州選挙前にAfD関係者が、かつてのナチ同様にバウハウスを非難したとの報道を見かけました。デッサウ市に存するかつてのバウハウス第2期校は、ドイツの誇るべき遺産と言っても過言でないと思います。デッサウ校閉鎖に伴って、バウハウスはベルリンに移転したものの、突撃隊によって封鎖され、開校することもなくその任を終えました。
一般のドイツ市民が、AfDの発言に対してどのような反応だったか気になります。ブログ主様には、なにか耳にしたことはないでしょうか。
こんにちわ
>一般のドイツ市民が、AfDの発言に対してどのような反応だったか気になります。
問題は何をもって「ドイツ市民と呼ぶや?」ということになります。
若い男性、低所得層、低学歴層は総じて、AfD を支持。
彼らに「Bauhausとは?」と聞いても、何も知りません。
そもそもドイツ人の一般知識は日本人よりも、かなり劣ります。
これがAfD支持者になると、もうかなり幼稚なレベルです。
だから嘘を見抜けず、何でも信じます。
一方、高所得層、高学歴層はAfDの正体を見抜いているので、AfDのプロパガンタに乗ることはないです。
それがバウハオスだろうが、移民政策だろうが。
問題は高所得層、高学歴層が社会では少数派という点です。
さもなければ、AfD が相次ぐ選挙で勝利を挙げることは不可能です。
ご丁寧な返信ありがとうございます。
>彼らに「Bauhausとは?」と聞いても、何も知りません。
日本人がヤキモキするのが、そもそも見当外れなのですね。残念ではありますけど。
もちろん、我々も偉そうに言えたものではありませんけど。