
ニコンが2026年4~6月期の業績を発表した。
純利益にはかろうじて
「黒字」
になったものの、営業損益は9億9700万円の赤字である。
又、主力の映像事業でもカメラやレンズの売れ行きが大いに落ちこんだ。
今後も業績が悪化するのは避けられない。
果たしてニコンの復活はあるのだろうか。
この記事の目次
ニコン 2026年4~6月期の業績
それでもニコンは2026年4~6月期、12億円の純利益を達成。
と聞けばニコン信者は
“Turnaround”(転換点)だ!
と喜ぶかもしれない。
なにしろ2025年通期の決算は、1000億円の大赤字だった。
しかし2026年4~6月期の市場予想平均は175億円の黒字だった。
蓋を開けてみると12億円と、業績は予想を大きく下回った。
それでもまだ
「御の字」
だった。
というのも営業損益は、9億9700万の赤字であった。
すなわち!
米国でトランプ関税の還付があったからだ。
これがなければ、またしても大赤字だった。
なのに、
「転換点だ!」
と喜ぶのは時期尚早。
何が収益を悪化させた?
では、何がまずかったのだろう。
というのもニコンは
- 精機事業
- ヘルスケア事業
が好調で、前年比で4%増の1641億円の黒字。
一方、映像事業の営業利益は前年比27.5%減ながら、81億円の黒字。
合わせれば1722億円の黒字。
そこそこ立派。
なのに営業損益が9億9700万円の赤字になるには、大きく足を引っ張っている赤字事業がある。
そう、去年大赤字を出した
金属3Dプリンター事業です。
そう、楽天の携帯事業のように、
ニコン 一人負け
百歩譲って、金属3Dプリンター事業が
「将来は黒字になる。」
と信じて、赤字を大目に見てみよう。
気になるのは
4~6月期、ニコンのカメラ & レンズの出荷台数が共に、6万台も落ち込んだ。
きっとニコン信者は
「そもそもカメラ自体が売れていないから仕方ない。」
と言うだろう。
ところがソニーは映像事業が好調だ。
売り上げ5439億円で前年比で2%増。
営業利益は横ばいだが、
「そもそもカメラが売れていない。」
という言い訳は通じない。
ましてやキャノンはカメラ事業が好調で、業績予測を上方修正。
これに富士フィルムが続き
「カメラが過去最高の売れ行き。」
と嬉しい悲鳴。
そう、
何故、売れない?
では何故、ニコンだけ売れていないのか?
それは何度もここで書いている通り
「ニコン病」
が原因だ。
ペンタックスはその末期、カメラの色だけ変えて
「新発売!」
とやった。
これは
オワコンになるカメラメーカーの前兆
である。
そしてニコンは
“Zf”
“Z5Ⅱ”
と中身が全く同じカメラを、外見だけ変えて販売。
そして今、同じスペックの
「新型カメラ」
の販売を準備しているという。
さらに!
これらのカメラに入っているイメージセンサーは
“Z6Ⅰ”
“Z6Ⅱ”
“D780”
と同じもの。
そう、ニコンは
同じ写真を撮るのに、カメラを新調する必要性がない。
加えて二コンの”AF”(オートフォーカス)は他社に遠く及ばない。
これで売れるわけがない。
負のスパイラル
新しいイメージセンサーも、優れた”AF”も提供できないニコンは、価格で勝負するしかない。
安価なカメラを販売して
「せめて売り上げだけでも維持しよう。」
と考えた。
ところがここで人件費 & 資材の高騰がニコンを襲った。
イメージジセンサーは言うに及ばず、メモリ価格が
「嘘!」
という程、高騰した。
結果、20万円程度でカメラを売っても、儲からない。
儲けるには、ソニーのように30万~100万で売る必要がある。
しかし
「”AF”が合わない。」
というモデルに誰が40万も払う?
ニコンが40万円+で出した
“Z6Ⅲ”
がいい見本だ。
石のように売れなかった。
こうしてニコンは
- 安いカメラを売っても、製造コスト高騰で儲からない。
- 高いカメラは売れない。
- 結果、販売台数減
という
「負のスパイラル」
に陥った。
ニコン 復活はあるの?
果たしてニコンの復活はあるのだろうか?
勿論、可能性はある。
日本にも
- TDK
- 富士フィルム
など基幹事業が消えたのに、会社を転換させ、成長に転じている会社がある。
それには社長に、
「社員を新しい目標に向かって団結させて、強引にひっぱていく資質」
が欠かせない。
これがニコンの社長に見て取れない。
映像事業ではソニーやキャノンに周回遅れにされており、
「追いつき、追い越せ!」
という努力も気力も感じられない。
半導体露光装置ではASMLに
「3周遅れ」
にされて、落穂拾いしかできない。
そこで
「一点突破」
を図って買収したドイツの金属3Dプリンター子会社が、大赤字を生んでいる。
「溺れる者は藁をもつかむ」
という描写がニコンの現状にピッタリだ。
見本 Jenoptik
とは言え、まだ終わりではない。
ドイツに
“Jenoptik”(イエンオプテイク)
という光学メーカーがある。
カールツァイスが作った子会社だが、東西ドイツ合併で虫の息。
いつ潰れてもおかしくなかったが、
「得意分野」
に集中(専門化)することで生き延びた。
そして今、防衛産業 & AI 需要の波に上手く乗って株価は急上昇。

かっての親会社、カールツァイス社の株価は下落一方なのに、オワコンだったイエンオプテイクはイケイケどんどん。
新社長の戦略が功を奏した。
そもそもニコンは軍需産業から生まれた光学メーカーなのに、AI 特需にも防衛特需にも置き去り。
このままではジリ貧が、ドカ貧になるのは目に見えている。
そこで企業戦略の専門家をマッキンゼーから派遣してもらい
「ニコン 2033」
という企業戦略を打ち出す以外、生き残る道はない。
ところがニコンの経営陣は昭和堅気の石頭で、
「他人のアドバイスなんぞいらん。」
と拒否反応。
八方ふさがりです。
ニコン 救済案
でもニコンには22世紀まで存続してもらいたい。
そこで多くのドイツ企業の復活・再生を見てきたドイツの達人が
「無償」
で、救済案を提案します。
赤字部門の切り離し
まずは
そんな時、ドイツでよくやるのが赤字部門の独立です。
かってジーメンスは採算の悪いエネルギー事業を
“Siemens Enegy”(ジーメンスエナジー)
として分社化。
これが大成功。
今、ジーメンスエナジーは超優良企業に変身!
これにならってニコンは、金属 3Dプリンター事業を
“SLM Solutions”
と元の名前に戻して上場させる。
だめなら売却。
これでニコンの業績への影響は最低限に抑えられる。
そもそも金属 3Dプリンターなんか、ニコンの得意な光学分野と畑違い。
何を血迷った?
新ブランドの創設
次は本業の映像事業の立て直しだ。
“weiter so”(今のまま)
ではドカ貧は必至。
そこで新しいブランドを打ち出す。
これはフォルクスワーゲンが使った戦略で、とっくの昔に存在をやめた車メーカー
「ブガッテイ」
を復活させた。
ニコンもとっくの昔に存在をやめたカメラメーカー
“yashika”
の登録商標を買い、高級ブランドを創設する。
もっともヤシカの名前はすでに中国に売却済。
そこで
「日本光学」
という昔のニコンの名前を使用する。
言わずもがな、これはメルセデスが使った高級車、マイバッハ復活と同じ手法だ。
製造するのは日本。
そもそもニコンはタイに製造拠点を移した結果、
「タイバーツ高」
で、一向に円安の恩恵を受けていない。
そこで日本に製造拠点を一部戻して、日本光学ブランドの製造をする。
カメラには
“made in Japan”
と誇らしく刻印。
高級ブランドなので価格は100万円前後。
それでも
「売り切れ」
になるように、製造台数は10~15万台限定。
大事なのは
「Z マウント」
ではなくライカと同じ
「L マウント」
にする事。
新ブランドをニコンと切り離さないと、
「高いニコン」
と思われて、買い手がつかない。
そう、
カメラは高いが、レンズはお安く買えるようにする。
おまけにLマウントカメラは市場にあふれているので、カメラさえ開発すればいい。
時間とお金が出来てから、日本光学ブランドのLマウントを出せばいい。
又、
“Nihon Kogaku”
くらいなら、ドイツ人でも読める。
ニコンの経営陣には是非、この最後のチャンスをつかんでほしい。


